有峰湖周辺(富山) 西笠山(1697.0m)、東笠山(1687m) 2018年4月21日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:57 ゲート−−5:46 第二ゲート−−6:10 斜面崩壊箇所(標高990m)−−7:37 大多和峠(休憩) 7:54−−9:13 1692.0m峰−−9:55 北側の1490m鞍部(一部荷物をデポ)−−10:58 東笠山/西笠山分岐点(ザックをデポ) 11:01−−11:23 西笠山 11:28−−11:42 東笠山/西笠山分岐点−−12:07 東笠山(休憩) 13:03−−13:33 北側の1490m鞍部−−14:27 1692.0m峰(休憩) 14:59−−15:32 林道(大多和峠付近)−−16:43 第二ゲート−−17:24 ゲート

場所富山県富山市(旧大山町)
年月日2018年4月21日 日帰り
天候快晴
山行種類残雪期の籔山
交通手段マイカー
駐車場ゲート前の路側に駐車
登山道の有無無し
籔の有無残雪に埋もれてほぼ皆無
危険個所の有無無し
山頂の展望どちらの山頂も立木皆無で大展望だがのっぺりしているので近くの山は地面に隠れて見えない
GPSトラックログ
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コメント岐阜県側跡津川沿いの林道から佐古集落奥のゲート前に駐車し片道9kmを歩いて大多和峠を経由して往復。無雪期は有峰林道から比較的短距離で往復可能だが猛烈な藪を格闘する必要があり、藪を避けて残雪期に長い林道歩きをするのとどちらがいいのかは微妙だが、景色の点では残雪期がとてもお勧め。心配していた藪は大多和峠から上でまだかろうじてつながっていたため回避可能だった。稜線上は大雪原の連続で感動の風景。どちらの山頂も一面の残雪で藪は皆無で快適に歩けた。この日は天気が良すぎて暑かった!


1692m三角点峰から見た東笠山と西笠山
地図クリックで等倍表示


残念ながら大多和集落より手前にゲート登場 ゲート前の駐車余地
標高780m付近のお社 大多和集落。廃村化していた
大多和集落奥に第二ゲートあり(開放) 林道脇には熊棚多数あり
200m毎に距離ポストあり 標高990mの斜面崩壊箇所
押し出した土砂は重機である程度片づけ済み 謎のトンネル入口
倒木あり 標高1190m付近。東斜面
大多和峠(飛騨側から富山側を見ている) 大多和峠(富山側から飛騨側を見ている)
峠から出だしは雪が少ないが薮も少ない 谷地形に出て以降は雪が使える
雪が消えた場所は東を巻く 標高1500m付近の境界標識
標高1510m付近。人の手が入っている 標高1540m付近。おだやかなブナ林
1590m峰から見た1692.0m三角点峰
1590m峰 標高1650m付近。無雪期の藪は厳しそう
1692.0m三角点峰から北を見る。あちらの方が高い 1690m峰。三角点峰より高い
1690m峰からの360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
1690m峰から見た東笠山、西笠山
祐延貯水池 1690m峰を振り返る
こんな奥地でも境界標識登場 鞍部へと急激に下る
南側の1490m鞍部 北側の1490m鞍部
軽量ピッケル、軽アイゼン、 500cc飲料をデポ ネズコの日影が涼しくて快適
尾根が広がると全面が大雪原に変わる
東笠山/西笠山分岐から見た西笠山 東笠山/西笠山分岐にザックをデポ
西笠山に向かう 広大な雪面が続く
西笠山山頂南側の藪 西笠山山頂。のっぺりで最高点は不明瞭
西笠山山頂からの360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
西笠山から見た東笠山 帰りは往路の南側の小尾根を下った
無雪期に西笠山登頂に利用される谷 東笠山へと登る
東笠山は草付きが多いようだ 東笠山山頂
東笠山山頂からの360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
東笠山から北に派生する尾根 往路の自分の足跡
東笠山南側から見た薬師岳 標高1590m付近から見た1690m峰〜横岳
デポした荷物を回収 1573m峰への急な登り返し
三角形は劔岳 標高1600m付近
奥のピークが1690m峰 南を巻こうとしたがもう藪が出て不可
1689m峰から見た1690m峰と横岳に繋がる県境稜線
1690m峰再び 1690m峰から1692.0m三角点峰(奥)を見る。明らかに低い
標高1680mから見た横岳へと続く尾根。今回は時間切れで次のチャンスに足を延ばそう
標高1620mから見た1590m峰 標高1580m付近
標高1510m付近。目印は1個しか気づかなかった 標高1390m付近
標高1320m付近。狭い谷に突入 林道に出た
この沢を下ってきた 林道脇にはフキノトウが山のように出ていた
大多和廃村奥の第二ゲート 第二ゲートまで大多和峠から6.0km
大多和廃村で1軒だけ人の気配がある民家 ゲート手前の流れで水浴び
ゲート ゲートの注意書き


・東笠山、西笠山は有峰湖西側の祐延貯水池の西側にある。有峰林道小口川線が東笠山真東に当たる祐延ダムを通っていて、林道から山頂までは僅か900mしかないので簡単に登れそうに思えるが、無雪期は灌木藪が深い。ただし無雪期に登れないほどのレベルではない。
・東笠山から西笠山にかけても灌木藪が立ちはだかる。
・ネット検索では意外にも無雪期の記録がいくつか発見できたが、残雪期の記録は非常に少なかった。車で行ける場所から山頂までは残雪期は圧倒的に遠くなるのが原因だろう。でも藪が回避できる残雪期は魅力的である。
・今回は大型連休前の足慣らしで残雪期の東笠山、西笠山を目指すことにした。富山側、岐阜側のどちらからアプローチするか悩んだが、あわよくば横岳にも登れる可能性がある岐阜側に決めた。1泊すれば間違いなくこれらの山頂を踏めるが、日帰りでも届くだろうと軽量装備でアタックすることにした。
・登山口の大多和集落までは約180km。安房トンネルを抜けて神岡へ入り、跡津川沿いの県道を走る。昔は有峰林道の大多和峠から国道41号線まで路面状況が悪いながら車で通行可能だったが、今はどこまで車で入れるのか分からない。残雪は林道上はもうほとんどないと見た。
・人家があるはずの大多和集落まではマイカーで入れると考えていたが、なんと佐古集落で施錠されたゲートがあった。予定より2kmくらい歩く距離が長くなるが暗くなる前に戻れるかなぁ。
・林道は轍があり最近でも車が入っている形跡あり。大多和集落に到着すると人家が数軒見えるが空き家の様相が濃い。周囲の平坦地に広がる水田だか畑の耕作放棄地は草ぼうぼうで農作業は行われていない。人家のうち1軒だけは原付バイクが置いてあり、雪が消えた期間だけ住人が戻っているのかもしれない。でも基本的には廃村であり、ゆえに佐古集落にゲートができたのであろう。
・大多和集落より先は林道の路面状況が明らかに悪くなる。昔はこの道を大多和峠から車で下ったのだが・・・・。大きく斜面が崩れて重機が片付けた場所もあり、ここは車での通行は不可能だが歩く分には全く問題なし。その後は車の轍は薄いが路面状況は良好だった。
・標高1130m付近で一時的に残雪が見られたがすぐに消えてしまい、雪が断続的に現れるようになったのは1190m以上の東斜面であった。
・地形図では大多和峠西側から谷沿いに車道が上がっていることになっていて標高1500mに達している。この道を使えば藪漕ぎは無く、1500mまで上がれば雪が出てくるだろうと予想していたのだが、現地を歩くとそのような車道は存在せず、道があるはずの谷地形は笹薮に覆われていた。このため計画を変更して大多和峠付近で登りやすい斜面を見つけて適当に登ることにした。
・大多和峠は有料道路との境界でゲートが閉じ、周辺は雪に覆われていた。料金所だと思った小屋は公衆トイレだった。でもおそらく昔は料金所だったのだろう。結局、林道歩きは約9kmと長かったのでここで休憩。
・公衆トイレの裏側斜面を県境に沿って登る。残雪はほとんど無いが薄い道があり藪は回避可能。雪が無いのは想定内だが道があったのは意外。周囲はブナが目立ち地面には薄い笹。さて、どこまで登れば雪にありつけるか?
・道は尾根上を延々と続くのではなく、尾根を越えて北側の浅い谷筋に下る。ここは地形図の車道がある谷だが、やはり道があるようには見えない。この谷で薄いながら残雪が続くようになり、この先は藪漕ぎせずに済みそうだ。しばらくは雪が続く谷筋や斜面を選んで登っていく。西側に顕著な尾根があるが、ここは雪が消えているので使えなかった。標高1500mを越えると尾根上にも雪が残るようになり、ほぼ県境稜線上を歩いた。
・標高1540m付近から一面の残雪に覆われるようになり、1590m峰に達するとそれまでのブナ林からシラビソに植生が変わり、樹林の密度は大きく低下して展望が開けるようになった。これこそ残雪期の山らしい光景。東側には薬師岳が大きい。笠ヶ岳、乗鞍岳、木曾御嶽も見えていた。素晴らしい絶景!
・1540m峰付近はなだらかで複雑な地形で進行方向に注意が必要。気を緩めると1658m峰の尾根に引き込まれる。ここから見ると県境尾根と同等の太さ。磁石で包囲を確認して進む。
・たまに地面が露出し藪が出たところには笹とネズコ。まだ無雪期でも我慢できそうなレベル。
・1640m肩で県境は左に屈曲し下っていくが現地では尾根不明瞭でどこが県境か判別困難。帰りに時間が余れば横岳に足を延ばそうと考えているが、この付近の下りは読図が難しそう。
・1692.0m三角点峰へは気持ちがいい残雪斜面を登っていく。便がに到着すると三角点峰北側の1690m峰の方が高いように見えた。帰りも同様に三角点峰の方が低く見えたので間違いないだろう。
・1690m峰から初めて西笠山、東笠山の姿が見えた。真っ白で藪は埋もれている。右手下に見えている祐延貯水池は雪に覆われていてまだ凍結しているようだ。
・1490m鞍部への下りも残雪豊富で気持ち良い歩きが続く。途中の木には境界標識あり。取り付け高さからして無雪期に取り付けられたと思われ、もしかしたらここまで無雪期でも歩ける程度の藪の濃さかもしれない。
・1490m鞍部は2か所あり、最初の鞍部付近は尾根直上は藪が出ているので東斜面を巻く。真ん中の1500m峰はできれば完全に巻きたかったが傾斜がきつい箇所もあり東直下を通過、北側の鞍部へ降り立つ。鞍部北東側の1500m肩(実際には小ピーク)で休憩。ネズコの日陰と日向の境界で体感的にちょうどよかった。ここで余分な水をデポする。雪が消えた箇所から顔を出したこの付近の藪は笹が中心。
・1540mの尾根平坦区間はネズコの列の西側を通過。日陰があるのはここまでで、この先は背の高い木は無くなって木の密度も低くなりスキー向きの大雪原が広がる。植生は矮小なネズコ、シラビソなど。
・1615m峰手前で荷物をデポして西笠山に向かう。この付近は緩斜面が広がる。
・無雪期に西笠山へ登る際には藪を避けて谷筋を登るようだが今はどこも雪に埋もれて藪は皆無。往路は谷の北側の尾根を登って下りは南側の尾根を下った。矮小なシラビソの頭がちょこっと出た場所があったがその周囲は雪原が広がり自由に迂回可能。尾根というより広い斜面でガスられたら下りは厄介そうな地形が広がる。今日は快晴で全く問題なし。
・西笠山山頂はとても広い平坦な雪原が広がり明瞭なピークは無い。立木は皆無で大展望。三角点の場所を示す手がかりも無しでGPSの残距離がゼロになるポイントに立ったが、最高点よりやや西側に行き過ぎた場所のように思えた。
・最高点南側では灌木藪の帯あり。笹、五葉松、イヌツゲ等の強固な藪で無雪期の苦労がしのばれる。歩く距離は長くなるがやっぱ残雪期最高!
・デポした荷物を回収して東笠山へ向かう。こちらの緩やかな尾根は、雪が解けた部分は灌木藪よりも草付きが目立つ。西笠山よりも無雪期に登りやすいかも?
・東笠山山頂も明瞭なピークは無くだだっ広い平坦な雪原でほぼ立木皆無で大展望。直射日光が強く、休憩は東側にある数本のシラビソの木陰で取る。これが無かったらかなり暑くて昼寝できなかったと思う。
・帰りは往路を戻る。体力的に厳しかったため横岳は割愛。見た感じでは県境稜線は残雪が続き藪を回避できたと思われるが仕方ない。秋の涼しい時期か残雪期に高幡山と合わせて登りたいところだ。
・1500m肩にデポした水を回収。今日は暑かったのでここに到着するまでに手持ちの水は空っぽになっていた。もちろん残雪を食べたりペットボトルの水に残雪を詰め込んだりと水を増やす努力はしたが追いつかなかった。デポした500ccの水を得て助かった。
・ここまで結構な距離を歩いてかなり疲労したので1692.0m三角点峰で休憩。横岳割愛を決めたので、この時点で明るい時間帯に下れそうな雰囲気が。横岳へ続く雪稜がちょっと恨めしかった。
・三角点峰から大多和峠までは単純な地形ではなく、登りの時に予想した通り地形図と方位磁石とにらめっこ。1580m峰から南東方向の尾根に乗ればほぼ安全地帯と思ったが、標高1490m付近からは尾根を直進するとルートを外すのを見落としてしまいミスルート仕掛けたが、見覚えのない風景と往路より残雪が極端に少ない状況でミスに気付き、ここではGPSで往路を確認して東にトラバースして県境に戻った。
・最後は地形図で大多和峠西側に出ている車道があるはずの谷を下ってみたが、やっぱり道は無く、笹が被った狭い谷があるだけだった。
・林道に出てからゲートまで休憩無しで下ったが、9kmもあるので下りが続くと言えどもさすがに足が重かった。もし登り返しがあったら休憩が必要だっただろう。
・ゲートに到着。当然ながら他に車は無いままだった。
・帰りに国道に向けて狭い県道を下っていると数か所でトンネル入口あり。跡津川の北側、池ノ山直下付近には素粒子物理学の最先端を走る実験施設が集中している。ニュートリノ検出施設のスーパーカミオカンデとハイパーカミオカンデ、ダークマター(現状では正体不明で理論的に複数の候補あり)の観測実験施設であるXMASS、素粒子ではないが重力波観測施設である「KAGURA」(建設中)など。全て旧神岡鉱山坑道跡を利用して地下に建設されていて複数の入口があるが、跡津川沿いの県道に「かぐらトンネル」入口を発見。KAGURAへのアクセストンネルと思われる。土曜日だからだろうか、トンネル入口は閉鎖されていた。

 

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